おのぼり物語 全1巻 カラスヤサトシ 竹書房 まんがくらぶ


濃霧-gNorm-さん

著者のこれまでの作品同様、日常生活に起こるギャグを中心に展開されながらも、明るさや笑いだけでなく孤独や不安といったネガティブな要素もあり、おかしいのになんだか切なくて、じわっと来るマンガになってます。

ポトチャリコミックさん

たとえば、62pから63p。夜の街を散歩していたら、巨大なヒキガエルとすれちがう。
(中略)
これをカップヤキソバの湯きりで流し台にぶちまけた的な笑いと捉えることはカンタンなんだけど、「東京」と「孤独」にやられていたと考えるとまたちがった感触になるんですよね。

マンガソムリエ煉獄編さん

個人的にはそういった、「私」と「商業ベース」との間の揺らぎ方に、つげ義春とか、いましろたかし的なものを感じた。

枳棘庵漫画文庫さん

色々と本当に生な話でネタにしきれない辛さもあるのですけれども、それだけに誰もが経験する重い話の一つの形として読ませるものが。

何かよくわからん気まぐれBlogさん『なんの職も無く、マンガ一本で東京進出!? 漫画「おのぼり物語」を読む!!』

自分は望んでいないのに、向こうの方からやってくるトラブルに巻き込まれあたふたと困惑しながら進んでゆく主人公の人生模様が面白いです!!

セルフ

孤独や無力感といったものがリアルだと感じるのは、1つ1つ丁寧に描くカラスヤ先生の力量による所もありますが、説得力をもつ一番の要因は現在進行形でカラスヤ先生が抱えているものだからだと思います。

■追加

defeated.さん

できない自分に気付いたときのえも言われぬもやもやした感情、居心地の悪さ、逃げ出して消えてしまいたいような気持ちが見事に表現されている。

どんなときに読んでも楽しい「カラスヤサトシ」とは違って、谷底に何度もつき落としてくるような作品だけど、珠玉の一冊だと思う。

中野の鼻さん

なんとなく上京したカラスヤ氏の不安と孤独と闘争。今までの作品では匂わせるにとどまっていたそれらの要素を中心に、漫画「カラスヤサトシ」の再誕生だ。

うだうだWeblogさん

サイバラの「上京ものがたり」は芸術的なまでに切なさを伴った一級品である。本書はもっとマイルドな二級品の切なさが詰まっているが故に,サイバラのものよりずっと広範囲に受け入れられる可能性を持っている・・・

ほんよみの森さん

単調なコマの連続が、けして過去に逆戻りはできないことをかえって強調しているようで、最初のほうのページをめくってお父さんの姿を見たりすると本気で泣きそうになる。

asahi.com(南信長氏)

やられた……。まさかカラスヤサトシに泣かされるとは思わなかった。

■関連
http://4koma.takeshobo.co.jp/cat01/235/すいーとポテト@はてなさんより)
朝日新聞に掲載された事に対する出版社の報告。画像アリ。